図版高さ第44位 / 56基中神戸ポートタワー
No.48 観光塔

神戸ポートタワー

兵庫県神戸市中央区
1963年開業。公開中。登れるのは75m。建造物の全高は108m。
75m人が登れる高さ
印はこの端末の中にだけ残る。どこにも送らない。
種別
展望台の地上高75 m(公式が地上高を数字で出しているのは展望一階「Gallery 360」の「地上75m」だけ。その上の階の高さは公表されていない)
建造物の全高108 m
開業1963年
料金1,200円(展望フロア+屋上デッキ)/1,000円(展望フロアのみ)
営業時間9:00-23:00(最終入場22:30)年中無休
最寄り神戸市営地下鉄海岸線 みなと元町駅
公式https://www.kobe-port-tower.com/
出典http://www.kobe-port-tower.com/shop/gallery-360/

神戸ポートタワーの高さは一〇八メートル。この数字は公式にも、国の文化財登録の原簿にも同じように書いてある。ところが、この塔で人が立てる床が地上何メートルなのかは、いちばん上まで行っても公表されていない。ここが主役に置いている数字のほうが、取れない。

一〇八メートルは、塔の高さだ

国の登録有形文化財としての登録は二〇一四年十二月十九日。原簿の「構造及び形式」の欄はこう書かれている。

「鉄骨造及び鉄筋コンクリート造、高さ108m、面積479㎡、展望室付」

二〇二四年のリニューアルのあと、運営会社は「神戸ポートタワーの高さ108mにちなみ、神戸や神戸ポートタワーにゆかりがある108名の方々と共に、テープカットを実施いたしました」と発表している。六十年を挟んで同じ数字だ。

これは塔の高さであって、人が立てる床の高さではない。

人が立てる床の高さは、公表されていない

展望フロアは五層ある。下から Gallery 360、Kobe Port Tower Shop by Felissimo、Ready go round、Brilliance Museum、Smile Park。その上に屋上デッキがある。

このうち地上高が数字で出ているのは、いちばん下の一層だけだ。Gallery 360 の頁に「展示エリアの床には一部ガラス張りの場所があり、地上75mから真下をのぞくスリル満点の体験もできちゃいます。」とある。

ガラス床の話として書かれた七五メートルが、この塔で唯一公表されている床の高さになる。その上の四層と屋上デッキについて、公式サイトにも運営会社の発表にも、神戸市の資料にも、文化庁のデータベースにも、地上高の数字はない。

屋上デッキは、階段でしか上がれない

いちばん上は「オープンエアデッキ『Brilliance Tiara』」。屋外だ。公式は展望五階 Smile Park からの動線について「展望5階から階段のみとなります」と書いている。エレベーターは来ない。

屋外に出られる塔はここにいくつもあるが、そこへ階段でしか行けないと明記している例は少ない。

直線の棒だけで、曲面を作っている

施工した大林組は、この塔を「世界初となるパイプ構造の『鼓型タワー』」と書く。そして形の作り方をこう説明している。

「32本のパイプはそれぞれが一直線に斜め上部へと伸び、タワーのくびれ部で交差することで、なだらかなフォルムを見せている」

曲がった材は使っていない。まっすぐな棒を斜めに立てて、途中で交差させると、外形が曲面になる。文化庁の登録原簿の解説も同じ点を挙げている。

「我が国で初の鋼管パイプフレーム構造で、直線材で曲面を構成した優美なつづみ形は今日でも斬新な意匠といえる。」

着工は一九六二年八月、神戸港の開港九十周年の記念事業として。竣工は一九六三年。設計は日建設計で、同社は公式に「これらのタワーの設計実績は神戸ポートタワー(1963)の設計に受け継がれ」と書いている。

二年七か月、閉じていた

二〇二一年九月二十六日の営業を最後に、大規模リニューアル工事のため閉じた。再び開いたのは二〇二四年四月二十六日。二年七か月ある。

工事の目的について、日建設計は自社の記事で「これらのタワーは耐震技術が十分に発展する以前の設計であることから、耐震改修により耐震性能のグレードアップを図る取り組みがなされています」と書いている。

そして、この工事で屋上デッキが新しくできた。人が立てる場所がひとつ増えたことになる。増えた場所の高さが分からないまま、ここはそれを載せている。

わかっていないこと
  • 屋上デッキ「Brilliance Tiara」の地上高。公式サイト、運営会社の発表、神戸市、文化庁のいずれにも数字がない
  • 塔の全高一〇八メートルの出どころ。広く使われている数字だが、公式サイトにも運営会社の発表にも書かれていない
  • 展望二階から五階までの各階の地上高。同じく数字がない
  • 設計者の個人名。日建設計が設計したことは同社が公式に書いているが、担当者名は一次資料に出てこない
  • 「鼓型」の具体的な寸法(上下の円の径、パイプのねじれ角)。塔連盟などの記述はあるが、公式・行政・文化庁の資料では確認できなかった
  • 開業日。竣工が一九六三年であることは複数の一次資料で一致するが、何月何日に開いたのかは特定できていない
  • 二〇二一年の休業を告知した神戸市の記者発表の原本。現在そのURLは404で、原文は検索の控えでしか確認できていない

ここから何が見えるか

行って見た記録ではなく、公式・自治体の案内に載っている記載を写したもの。

港と市街地、そして六甲山系。

展望フロアの向き展望一階から五階と、その上の屋上デッキ。展望一階「Gallery 360」は床の一部がガラス張りで、公式はここを「地上75m」と書いている。最上部の「Brilliance Tiara」は屋外で、展望五階「Smile Park」から階段だけで上がる

出典 http://www.kobe-port-tower.com/shop/gallery-360/ http://www.kobe-port-tower.com/shop/brilliance-tiara-open-air-deck/(2026-08-23取得)

どこまで届くか

高さと地球の丸みだけで出した、見晴らしの上限。建物や山にさえぎられる分は入っていないし、天気も考えていない。「よく晴れて、何もさえぎるものが無ければ、ここまで」という数字だと思ってほしい。

31km地上75 m から、地平線まで
富士山まで331 km この高さでは、地球の丸みに隠れて届かない(富士山は3776 m あるので、向こうからも219 km 先まで見えている計算になる)

計算上、ここから届くほかの場所 7か所

相手のてっぺんが地球の丸みの上に出るか、だけを見ている。間に建物や山があれば見えない。近いものから。右の数字は相手のてっぺんの高さ。

計算式 地平線までの距離 = 3.57 × √高さ(m) 地球を半径6371 kmの球とした幾何計算。大気の屈折はみていない(実際は約7%のびる)。
地面そのものの標高は持っていないので、海面から測ったものとして計算している。高台に建っている場所は、実際にはもう少し遠くまで届く。公式の発表ではなく、ここで計算した値。

日が沈む時刻

この場所の緯度経度と、人が立てる高さから計算した。高いところでは地平線が下に見えるぶん、地上より少し遅く沈む。天気も、まわりの建物や山も入っていない。「晴れて、西がひらけていれば」の時刻。

9月2日の日没18:27地上75 m で。地上より1分15秒おそい
街の灯りがそろうころ18:51市民薄明の終わり。空に色が残らなくなる
夕景と夜景を一度に見るなら16:57日没の九十分前に上がる、が愛好家の目安

一年でいちばん遅い日没は6月30日ごろの 19:18、いちばん早いのは12月5日ごろの 16:50。開いている時間は上の表で。

計算 太陽の位置は NOAA の一般式(誤差は一分ほど)。高さの補正は 眼高差 ≒ 1.76′×√高さ(m)。時刻は日本標準時、この頁を開いた日の日付で計算している。公式の発表ではなく、ここで計算した値。

ここから近い塔

都県では区切らない。この塔からの直線距離で並べてある。

この塔とつながっているもの

同じ系譜に置いた塔。何でつながっているかが違うので、軸ごとに分けてある。

港に立つ塔

全日本タワー連盟に加盟している塔

高さの並びの中で

75mは、札幌市役所 展望回廊と鹿児島県庁 展望ロビーと同じ高さ。すぐ上は練馬区役所 展望ロビーの80m(+5m)。登れる高さがわかっている五十六基のうち、第四十四位。

← → キーでも隣の塔へ動けます。